無職をやめました

はじめに

退職エントリ公開後、自分の予想よりはるかに多くの方からお声を寄せて頂きました。まずはそのことについて、心からお礼を申し上げます。ありがとうございました。

また、当時Amazonのウィッシュリストから、無記名で贈って下さった方々にも、この場を借りて感謝をお伝えできればと思います。黄色いトースターや無線キーボードなどなど、我が家で大活躍中です。いい黄色です。

会社員に戻りましたという話

会社員に戻り、二ヶ月ほどが経ちました。正直なところ、これでよかったのかどうか分かりません。ただ、落ち着くべきところに落ち着いたような安心感は、それなりにあります。

というのも私は、お金を稼ぐためにSEを続けるかどうかさえ、決めかねていました。自分の夢はほかにあるからです。そのうえ、無職期間にご縁があり、とあるゲームのシナリオを書かせて頂く機会にも恵まれました。自分がなりたいのはシナリオライターではありませんが、シナリオを書くことは、自分の夢に近づく可能性のある仕事です。数ヶ月は全精力をかけて取り組みました。

しかし結果として、私はSEに戻る道を選びました。理由はさまざまです。プライベートなところもありますので、ここで紹介できるとすれば、ポイントは二つでしょうか。

一つには、自分のスキルに対する不安がありました。当然のことながら、ブランクが長くなるほど、復帰も難しくなると思います。IT業界はとくに変化が激しいです。何年もブランクのある人間を、そう簡単には雇用しようと思わないはずです。戻りたくなったときに戻れないのは、きっと困るだろうと思いました。

また一つには、よさそうな会社と出会えたこと。断言できますが、内定を頂いたのがこの会社でなければ、私は今も無職を続けていたと思います。

入社を決めたときの話

まずは労働条件です。ここがもっとも重要でした。

裁量労働制が正しく運用されている部署に配属されたと思います。実績があれば実労働時間は問わない、というスタンスです。夢を諦めきれない私には、自分の裁量で自分の労働時間を制御できる現場が合っていると思いました。

結果、現在は自由な時間を確保しつつ、業務に取り組むことができています。ほぼ理想通りの環境です。

次が業務内容です。いくら労働条件が合っても、私のこれまでの経験や、伸ばしてきたスキルを即戦力として活かせない場合、あるいは、私自身がモチベーションを保てない場合、長く勤められないでしょうし、それは自分にとっても会社にとっても不幸であろうと思います。よって、業務内容もかなり詳しく聞いてから、入社試験を受けました。

余談ですが、私は一応、面白くないことに対して自分を適応させることが得意なほうだと思います。SIer勤務を通じて一番伸びたのは、モチベーションの上げ方ではないかと思うくらいです。なので、なんとかなるだろうからなんでもこい、と思っているところもありました。

要は過度な期待をしないようにしていたわけですが、これは杞憂に終わりました。

入社してからの話

私は今、とあるERPパッケージ製品をクラウドサービス上に移行する仕事をしています。といっても、移行そのものが仕事ではありません。移行に際して発生する問題を解決するのが、おもな業務内容です。もちろん既存の問題に対する解決策を作っていくことが多いですが、未来に起こるであろう事象を予測し、予防線を張っておくのも大切なお仕事ですね。

とくに前職で、Disaster Recoveryの要件をまとめ、検証し、運用してきた経験が、今まさに活かされていると感じます。また、ネットワークに特化した技術者が社内に少なかったことからも、自分の強みを活かせている手応えがあります。

もう少し詳しく書いておきます。これまで閉じたネットワーク内で構築・サービス提供されてきた製品群を、クラウドという不思議な「概念」のなかに当てはめていくわけですから、問題はたくさん出ます。数量が多いというより、トラブル内容が多岐に渡ると言ったほうが正しいでしょうか。ネットワーク構成ひとつ取っても大きな変化が生じますし、保守・運用の方式も、クラウドサービスの仕様に引きずられます。
加えて、既存のお客様が一気に減るわけではありませんから、保守・運用に特化した技術者をそのままクラウドサービスに引き入れることができません。慢性的に人手が不足しています。

問題解決は楽しいですが、人手が足りないのは悲しいです。

技術者募集中です

そういうわけで、私たちと一緒に働いてくださる方を探しています。必死です。Haskell使いと数学好きが多いチームですが、私はJavaと文学の人です。なんとかなります。(※「yuripop」と一緒に働きたくなくても、まあそれも謎の力によりなんとかなると思います)
少しでも業務内容に興味を持たれた方は、Twitterで話しかけてみてください。

終わりに

二度とSEには戻りたくない、とつぶやいたこともありましたが、今あまりにも楽しそうに仕事をしているので、まったく説得力がなくて自分でも困っています。かといって、夢を諦めるのかと言われれば、死ぬまで無理だろうとも思います。

まだ迷っている最中ですし、きっとこれから先も迷い続けるでしょう。それはそれでいい、と思っています。お金は大事です。迷いながら身を寄せた先が、この巣穴でよかった。再び放浪癖が疼く日まで、ここでひっそり羽をたたんで暮らします。